ホームスティ中の女性が、2011年9月27日(火)予定日通り、3080gの女の子を無事出産しました。
母子共に元気です。
特別養子縁組を選んだホームステイのインタビュー
1.ライフ・ホープ・ネットワークはどうして知りましたか
今年の1月に妊娠したことがわかりました。その1年前にも同じ彼との子を妊娠し、中絶しています。
反省しなかった私は同じことを繰り返してしまいました。彼ともだんだん関係が悪くなり、とても二人で育てていくという選択はできませんでした。しかし、私ひとりで育てていく自信もありません。今回も中絶を考えましたがエコーお腹の赤ちゃんが少しずつ大きくなっていき、元気に動くたび決心できませんでした。前回妊娠した時にたまたま買った雑誌に特別養子縁組の記事があったことを思い出し、調べました。
養子縁組について協力してくださりホームステイできる場所をインターネットで探して知りました。
2.相談した印象はどうでしたか
私はまず、Eメールで今の状況や考えを伝え相談しました。するとすぐに返事を下さり、状況も理解して頂き安心しました。そして電話でやりとりをし、ホームステイを決めました。相談する前は何か厳しいことを言われても当然だなあと不安な気持ちでいましたがすごく気持ちを分かって下さり、赤ちゃんの命を守るという選択はすばらしい、いい事だと言って下さり安心できました。
電話の最後には私と赤ちゃんのために祈って下さり、とてもうれしかったです。相談して良かったと心から思いました。
3.ホームステイを決めた理由はなんですか
まず、彼とは同棲していましたが関係がどんどん悪くなり、安心して出産できる環境ではなく、また実家に帰っての出産も難しかったためです。それに、妊娠がわかってすぐに気持ちが不安定になり、つわりも辛く仕事もやめたので貯金もあまりなく金銭的に厳しかったのですがホームステイの費用がひと月、水道光熱費として1万円プラス食費とかなり良心的だった事、相談した時に親身に思って考えて下さり安心できた事などでここしかないと思いました。
4.ここでの生活はどうですか
ホームステイを始めて2ヵ月が経ちました。予定日まで後3日になりました。ここでの生活はとても充実しています。よくマイカ君とDVDを見たり絵本を読んだり歌を歌ったりしています。とても楽しく笑いが絶えず元気をもらっています。また毎日、近所の方やLHNのスタッフ、シンシアさんのお友達が来られ、いろいろな話を聞くことができ楽しいです。毎週日曜日には教会に一緒に行きます。教会は初めて行きましたがイメージと違い、楽しい雰囲気で賛美歌を歌ったり毎回牧師さんの、ためになる話が聞けます。
終わった後は短時間ですが他の人とお話をしたり祈ったりして、私にとって視野を広げる良い機会になっています。
1日の中で、特に夕食は楽しみな時間のひとつです。私はしばしば和食を作ります。シンシアさんはいろいろなパスタやピザ、パンを焼いて下さったりサラダやスープもすごくおいしいです。野菜をたくさん食べることができます。ここに来てからたくさん食べていたので妊婦検診では体重がすごく気になりましたが、2ヵ月の間に赤ちゃんの体重分だけ1kg増えただけでした。バランスのとれた食事と正しくなった生活のおかげだと思います。
5.今、思っていることは
出産予定日まであと3日になり少しドキドキしています。今は赤ちゃんが無事に元気に生まれてきてくれることを願うばかりです。私は育てることはできないけれどこのお腹の赤ちゃんのために厳しい審査をうけて認められ、愛情を持って大切に育ててくださる新しいお父さん、お母さんのもとで幸せに生きて いって欲しいと思います。
私も赤ちゃんが成長し、大きくなっていくにつれて会えることができたとしてもできなくても、産んだ母として恥のないように、これからしっかりと自分と向き合いあきらめずに逃げ出さずに自立して生きていきたいと思います。
★出産した後でお聞きしました
6.出産したこと、養子縁組してどう思いましたか
夜、陣痛がきて病院に行きましたが赤ちゃんは出産予定日ピッタリ、無事元気に生まれてきてくれました。病院では赤ちゃんの父親と電話で「私が自分で産みたいと決めた事だからしっかりこの痛みと戦って、頑張るしかない」と話しました。分娩台の上では、助産師さん、看護師さん、女医さん、駆けつけてくれたシンシアさんに励ましてもらいながら、うまくいきめるように、赤ちゃんが楽に出てこられるように、私も体力を消耗しないように必死で頑張りました。赤ちゃんも一生懸命に生まれてこようと頑張ってくれました。本当に本当に痛かった。間違いなく私が生まれて初めて経験した痛みでした。
でも、赤ちゃんの泣き声が聞こえた瞬間すごくうれしかった。生まれたばかりの赤ちゃんを見るとすごく元気そうに泣いていて、かわいくて、かわいくてそれから安心してほーっと力が全て抜けていくような感じがしました。とても幸せでした。それから2時間半ほど分娩台の上で赤ちゃんと並んで抱っこさせてもらって過ごしました。赤ちゃんは目をぱちぱちとさせて私の方を向いて、手が大好きなのか、ずーっと舐めていました。本当にかわいかった。幸せな時間をありがとうと思いました。それから私は病室で、赤ちゃんは新生児室で過ごすことになりました。
それから赤ちゃんの誕生をおめでとうと、たくさんの方がお見舞いに来てくださいました。赤ちゃんは私のお腹にいた間、シンシアさんのところへホームステイに来させてもらって、愛されて、もすごく幸せだろうと思いました。
赤ちゃんを新生児室へ窓ごしに見に行く時、抱っこさせてもらった時、何度自分で育てたいと、手放したくないと、養子縁組することを撤回しようと思ったか、病室に戻って一人で考え込んだり、泣いたりもしました。ずっとずっと一緒にいたいと思いました。
でも今までの自分、現実を考えると、やはり自信はありませんでした。それでもいいから、何が何でも一緒にいたいとも思いましたが、赤ちゃんの幸せについて、一番に考えました。赤ちゃんのために厳しい審査を受けられて、認められた新しいお父さん、お母さんの元で大切に愛されて、幸せに育っていってくれるなら他には何も望むことはありません。そしてこの先、生きていてよかったと思うことがたくさんあれば幸いです。
7.これからの生活についてどう思っていますか
私は今まで何度も当然のように思い、心から感謝をしたり、逆に反省しないといけないところで反省せず、甘えてばかりで自覚もありませんでした。しかし、この出産を通して心から感謝することができました。反省することもたくさんあります。これからは甘えてばかりはいられません。強くなります。今、私はいろいろと勉強し始めたばかりです。赤ちゃんもこれから一日一日と心も身体もどんどん成長していきます。私も負けないよう、産みの母として恥ずかしくないように成長していきたいと思います。
私にたくさんの幸せと、試練を与えてくれてありがとうという気持ちでいっぱいです。何事も考えることをあきらめず、考えることから逃げ出さず、自立していきたいです。そして、赤ちゃんの幸せをいつも一番に祈っています。