2010年10月15日

特別養子縁組を選んだホームステイのインタビュー

特別養子縁組を選んだホームステイのインタビュー


1.妊娠がわかったときあなたはどう思いましたか

その時の気持ちは複雑でした。なぜなら結婚歴もあり、ずっと子供が欲かったのですが授からず自分は赤ちゃんができない体だとかってに思い込んでいました。「お母さん」になりたかったのですが諦めていました。ですから妊娠したことが自分でも信じられなくて、 うれしいけどなぜ今?産みたいけど、どうしようと思いました。


2.どうしてライフホープネットワーク(以下LHN)に相談されましたか

彼とはもう縁を切った後でした。私はできたら産んで自分で育てたいと思いましたが貯金もわずかしかなく何より一番の問題は住む所がないことでした。実家、友人、知人全員から産むことを反対され、相談することもできず、諦めるしかないかと思った時もありました。その時、中絶を勧めていた友人が「産みたい」と思っているならとインターネットで見つけてくれたので電話で相談をしました。


3.相談されたあと、あなたの悩みはどうなりましたか

電話相談の時とても親身になって話を聞いてくれ、産むことは良いことだと言って頂き、とても救われた気持ちになりました。その後面談をしてホームステイをさせて頂ける事になった時ホット安心しました。これで赤ちゃんが産める。お母さんになれるとうれしい気持ちでいっぱいになりLHNに感謝しました。


4.LHNの生活はどうでしたか。

LHNにホームステイして3日後ぐらいに病院へ検診に行った時、赤ちゃんの成長が悪いのでその日に入院が決まり、ホームステイどころではなくなりました。それまでの病院では順調だと言われていたので不安な気持ちで入院しました。 (2週間後、緊急帝王切開にて出産)


5.出産後、赤ちゃんと会ってどう思いましたか。

出産当日、担当の先生から赤ちゃんの病気を告げられました。私の赤ちゃんは心臓病と18トミソリーという病気を持って生まれ、知的障害、運動障害もある可能性があり、寿命1〜2年と診断されました。せっかく授かってやっと赤ちゃんに会えるのに、ママになれるのに短い時間しか生きられないなんて、生まれてきた意味があるの?と思いました。悲しくて悲しくてずっと泣いていました。かわれるものならかわってあげたいと思いました。「元気な体に産んであげられなくてごめんね」と赤ちゃんに面会に行った時、ごめんねとあやまる事しかできませんでした。


6.現在の生活と今のお気持ちを聞かせて下さい。

退院後、ホームステイをさせていただき、現在約2ヶ月くらい経ちます。ホームステイの生活は楽しく暮らさせていただいています。赤ちゃんはまだ入院中なので、毎日しぼりたてのおっぱいを持って赤ちゃんに会いに病院に通っています。寿命1〜2年と診断されましたが、1ヶ月後に天国にいってしまうかもしれないし、明日、天国にいってしまうかもしれません。 いつ天国にいってしまうのか考えただけで涙があふれてしまうので、なるべく未来を考えず、「今」だけを考えて過ごしたいと思っています。ママとしては1日でも長く生きて欲しいと願い、赤ちゃんが生きていてくれる限り、せいいっぱい愛してあげたいです。今は少しの時間でもいいから一緒に暮らせる日が来る事を願っています。できる事があればしてあげたいのです。最後になりますがみんなに反対され、いろいろありましたが、産んでよかったと思っています。ママになれた 喜びや愛しく思う気持ちがこの子を産まなかったらわりませんでした。もし成長し、無事1〜2才になった時、ママの事がママとわからない子になっているかもしれません(知的障害のため)。それでも変わらず愛してあげていきたいです。この子の命がある限り・・・短い時かもしれませんが、 生まれてきてくれてありがとう。