ホームステイ「卒業生」の声(4)
私がライフホープネットワークのホームステイを知るきっかけとなったのは、妊娠が分かって最初にかかった産婦人科医からの情報提供でした。私自身妊娠はとても嬉しかったのですが妊娠した状況が少しごたついていたので、産むことへの周囲からの否定的な意見に負けそうになっていたときのことでした。
産婦人科を出た玄関前で、医師から教えられた電話番号にすぐ電話をすると、少し片言の外国人女性の声だったので、「本当に大丈夫かな?」と思ってしまいました。しかし、そんな不安はふっ飛びました。日本語はほとんど通じるし、ぜひ会いましょうとシンシアさんから言ってくれて、なんとその30分後に最寄りの総合駅まで迎えに来てくれたのです。そこで自分の状況をシンシアさんに伝えると共に、実際にホームステイ先の自宅を自分の目でみることができ、どんな場所でホームステイをするのかある程度想像をつけることが出来ました。リビングにはいっぱい写真も飾ってあり、そこで息子のマイカくんの写真も見ることができて、とても温かい家庭的な場所だなぁと、ホッとくつろげたのを覚えています。
行政の方とも話し合いをして、ホームステイの日時を改めて決め、それに向けて自分も準備をしてホームステイを開始しました。妊娠をすると、いろいろ準備をしないといけないのに思うように動けなかったり、新しく働くこともなかなか難しく、やらなければいけない物事が進まないのに刻一刻と週数は経っていく...という、焦りを抱く状況にある人も少なからずいると思います。シンシアさんは、多くの妊婦さんと関わって助けて来た経験から、相談に対して親身になっていろいろなアドバイスや前向きな言葉をくれて、穏やかな気持ちで過ごすことが出来ました。
私は、シンシアさんの「Good!いいね!」「いいんじゃな~い?」という口ぐせが大好きです。味方になってくれるような声かけがとても嬉しく、励まされ、その前向きな言葉に何度救われたことでしょう。かといって何でもオッケーと甘やかされる訳でも過干渉する訳でもなく、私を一個人として尊重してくれて、そして良い意味での適当さもあって、その付かず離れずの家庭的な部分が、シンシアさんとのホームステイの魅力だと感じています。もちろん、シンシアさんの美味しい手料理が毎晩楽しめるのも大きな魅力のひとつです。 たぶん、ホームステイをしなかったら誰とも口を利かずに、スマホばっかをして塞ぎこんで過ごしていたであろう妊娠中、ホームステイをすることによって自分の今後の人生を大きく立て直すチャンスが出来たと思っています。たぶんホームステイしていなかったら、今でもやさぐれて荒れた生活になっていたことでしょう。
出産してから一年ほど経ちますが、今でもシンシアさんとは定期的にやりとりをしていて、家族ぐるみでのお付き合いがあります。ホームステイの時にお腹にいた子供はもうすぐ1才。今ではシンシアさんの抱っこが大好きなようです。優しいマイカくんにも懐いています。わたしにとってシンシアさんは、子育ての先輩、ママ友、お姉さん、お母さんのような存在です。妊娠中に支えてもらって産んですぐお見舞いに来てくれたから、夫みたいな存在でもあるかもしれません。 それほど頼れる存在だということです。少しでも多くの、困難に置かれてる妊婦さんたちに、こんな温かい場所が選択肢としてあることを知ってほしいし、わたしの体験談が参考になって前向きな妊娠出産ができる方が増えるといいなと思って、今回執筆させていただきました。