産むのはエゴ?
妊娠・中絶の相談のお電話をいただく中で、時々「エゴ」という言葉を聞きます。
大抵の場合は、相談者ご自身の言葉ではなく、周りの人から言われた言葉です。友達や家族や病院や市役所の人に、「今の状況で子どもを産むのはあなたのエゴ」と言われた、というお話です。
●「エゴ」とは・・・
エゴイズムの略で、自分の利益を中心に考えて、他人の利益は考えない思考や行動の様式。利己主義。(goo辞書より)
結婚していなかったり、お金がなかったり、子育てをできる環境ではなかったりする人が、授かった赤ちゃんを出産するのは、自分の利益を中心に考えた行動でしょうか?
確かに「産みたい」という自分の希望を実現するという意味では、自分の利益かもしれません。
でも、その希望の実現には多くの犠牲も伴います。つわりやホルモンバランスの変化による体調不良、身体がどんどん重くなる不便さを10ヶ月間我慢し、時にはそれまで続けていた仕事やパートナーとの関係を諦めてまで、出産することは、「自分のため」だけにできることではないはずです。
多くの場合、「産みたい」と思う理由は自分が得するからではなく、お腹の中の赤ちゃんへの愛情や配慮です。
今、困難な状況で妊娠し、産むことを迷っている方へ。
産むのはエゴじゃないですよー!!
赤ちゃんの命を大切にしたいと思っているなら、その気持ちを大切にしてください。
産みたいけど今の状況でどうやったら「産む」が実現できるかわからない方は、ぜひご相談ください。一緒に考えましょう。応援します。
※もちろん、産む選択をするのは、出産後に赤ちゃんを放置したり虐待したりせず、きちんと責任を持つことが前提となります。でもそれは必ずしも自分で育てることだけを意味しません。育児が難しい状況であれば、特別養子縁組を選択することも、赤ちゃんの幸せに責任を持つ一つの方法です。