ホームステイ「卒業生」の声 (1)
同棲していた相手の子どもを妊娠しましたが、相手には結婚の意思がなかったため、精神的にとても苦しい妊娠生活を送っていました。ひとりで産んで育てられるのか、中絶を選択するべきなのか、とても悩んでいるなか、インターネットでLHNを見つけて、相談するようになりました。
LHNでホームステイを始めた時点では、養子に出すか、シングルマザーとして育てるか、なにも決断できておらず、精神的にも不安定な状態でした。そんななか、シンシアをはじめライフホープに関わる方々に親身になって接してもらい、本当に救われました。
無事に出産し、自分で育てることを決意した後は、実家がある地方に戻って、正社員として働き始めました。とはいっても、新しく暮らし始めた場所は、実家がそこまで近いわけでもなく、親族から日常的なサポートを受けていたわけではありません。小さな子どもを抱えて、ひとりでフルタイムでの仕事と育児を両立させるのは、とても大変でした。
それでも、今までくじけることなく前向きに生活してこれたのは、LHNでの経験が大きく影響していると思います。
言葉も話せない国に来て、ダウン症の男の子を養子に迎え、ホームステイの女性たちを全力でサポートし、いつも快適な環境を保ってくれているシンシアの姿を身近で見ることができたのは、私にとって、その後の人生に大きなプラスの影響を与えてくれました。
LHNでの経験のおかげで、私は、自分の置かれた環境のなかで、最善をつくそうという覚悟ができました。ひとりだけで孤独に出産していたら、その後、赤ちゃんを抱えてどのように生きていけばいいのか途方にくれていただろうと思います。
実は、LHNでホームステイしていた期間は、そんなに長くはありません。現在は、新幹線でしか行き来できない距離なので、シンシアやその他お世話になった方々にもずっと会えていません。それでも、ホームステイした経験は、私を人間として大きく成長させてくれ、その後の人生に対する私の心構えが大きく変わりました。
現在、シングルマザー歴7年になりました。今でも乳児遺棄のニュースを耳にするたび、自分が妊娠していた頃を思い出して、本当に心が痛みます。自分で育てられないのであれば、養子に出すというのも責任ある選択だと思います。
予想していない妊娠をするのは、女性にとってとても辛い経験ですが、LHNは、どんな状況にある女性にも寄り添って手を差し伸べてくれます。困っている女性がいたら、ぜひその手をつかんでほしいと思います。
(過去にLHNにホームステイをして出産し、今は自立して生活していらっしゃる女性に寄稿いただきました。これから少しずつ、こうした「卒業生」の声をご紹介します。)