2025年2月10日

特別養子縁組 実親体験記第二弾(1)

妊娠16週「このままでは死んでしまう」       


はじめまして

栞(仮名)と言います

私は、7年前に男の子を特別養子縁組に出しました

今回、こうして養子縁組について書こうと思ったのは

特別養子縁組をするご夫婦の事は沢山書かれているけれど、託す側(産みの親)の事が書かれている記事を目にすることは余りなく

特別養子縁組に出す事=子供を捨てる

という偏見があるからなのかな?と思い

そんなことはない、沢山悩んで考えて決断したことで、恥ずかしい事じゃないと知ってほしい気持ちと

特別養子縁組をされるご夫婦に、産みの親の気持ちを少しでもいいから知ってほしくて文章にしようと思いました


妊娠した時、子供の父親とは同棲しており妊娠を告げた時に言われた言葉は「いらない」でした

当時、体調が悪く働いていなかった私は貯金もなく産婦人科に行く事もできないまま月日が経っていきました

私は悪阻が酷く、ずっと吐いていました

何も食べられず、飲めず、このままでは死んでしまうと本能的に思ったのを覚えています

なんとか助けてくれる所を探して辿り着いたのが、市がやっている妊娠SOSという団体でした

いまの現状を伝えると、次の日には保健師さんが家に来てくれて産婦人科に連れていってくれました

その時には妊娠16週でした


病院が終わった後は、そのまま区役所に連れていかれ生活保護の申請をしました

免許証の期限が切れていて身分を証明できるものがない私に、保健師さんは保護担当の方に

「いま!困ってるんです!!無いものをどうやって出せと言うのですか?!」と凄く親身になって説得してくれたのを凄く覚えています


それから数日後に保健師さんから連絡があり

シンシアさんに会いに行きました

私の事を凄く心配してくれて

私の悪阻が酷く体調が良くないこと、週数が16週と短いことから、今すぐには受け入れるのが難しいことを説明してくれました

それから数日後に再度連絡があり

「お部屋の空きが出たから来てもいいと言ってくれています!」と伝えられ、持てる荷物を持ってシンシアさんの所へホームステイすることになりました

今でも覚えています12月17日の出来事でした

(続く)

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