2025年2月15日

特別養子縁組 実親体験記第二弾(2)

特別養子縁組を決めながらも揺れる心   


前回のあらすじ:妊娠16週で妊娠SOSに助けを求め、保健師さんからの紹介でライフ・ホープ・ネットワークにやって来ました]


他のホームステイの人と話したり

シンシアさんと話したりして

ずっと1人で不安だった気持ちは全くなくなり

お料理をしたり、マイカと遊んだり、カフェで働いたり…

そんな日々を過ごすなかで、お腹の子の将来を決めなければ…と考えるようになりました


シングルマザーになり1人で育てるのか

特別養子縁組をするのか

とても悩みましたし、シンシアさんにも沢山相談しました

特別養子縁組がどのような制度なのかも説明してもらったし

シングルマザーになるなら母子寮に入ることになることも教えてもらいました


でも、私の心の奥底では決まっていました

「特別養子縁組にしよう」

理由は3つありました

1つ目は、私には頼れる親族がいません

両親とは20歳になる前に縁を切っており10年以上会っていません

いざ働くとなって困った時に助けてくれる人がいないのです

子供は体調を崩しやすいですし、他の面でも助けてくれる人がいないというのは苦しいなと感じていました


2つ目は、私は6歳の時に両親が離婚していて父親に引き取られました

手を上げられる事は日常茶飯事、暴言もありました

いつも父の顔色を伺いながら、機嫌を損ねないように過ごしていました

「虐待されて育った子は自分の子にも同じような事をする」

どこかで目にした言葉です

親から愛情をもらった記憶がなく、普通の家族が分からないまま大人になったので

子供をきちんと育てられる自信が全くありませんでした


3つ目は、2つ目と同じような理由ですが

私の元で育つよりも、きちんとした両親がいて

愛情をたくさん注いでもらって、やりたいことをやらせてもらえる環境で育った方が絶対に子供のためになると思ったからです

幸せになってほしい、心からそう思っていたので

私は特別養子縁組をすることを決めました


特別養子縁組をすることを決めたからといって

決意が揺らがないという事はなかったです

「やっぱりシングルマザーになろう」

「いや、養子縁組した方がこの子は幸せだ」

毎日、部屋に戻って1人になると考えてしまって

どの選択をするのが正解なのか分からず涙を流すこともありました


そんな日々を過ごしながら、妊娠27週の時に突然破水しました

(続く)

第3話へ


<前回のお話はこちらから>